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【審査会名】 内閣府情報公開・個人情報保護審査会
【答申年月日】 平成24年4月23日
【答申番号】 平成24年度(行情)答申 第 14号

【要旨】
  1. 【留意事項記載部分(本件不開示部分1)の法5条4号及び6号該当性について】 まず,一般的に,行政文書中の特定の記載内容が必ずしも実態とは一致しておらず,正確性を欠くという場合に,それにより国民に誤解や誤った印象を与えてしまい,その結果,法5条4号及び6号に該当すると認められるかには疑問がある。また,一般論として,そのような事例があり得ることを否定しないとしても,本件不開示部分1に記載されているのは,ある種の事件においては,本件対象文書だけではなく,他の資料も参考とすべきであるという趣旨のものであり,このような内容が公になったからといって,誤った印象を国民に与え,捜査・公判の維持に支障を及ぼすおそれがある,又は若手検察官の能力向上等を阻害するおそれがあるとは認められず,行政機関の長が犯罪の捜査及び公訴の維持に支障を及ぼすおそれがあると認めることにつき相当の理由があるとも認められない。したがって,本件不開示部分1については,法5条4号及び6号に該当するとは認められず,開示すべきである。


  2. 【目次(本件不開示部分2)の法5条4号及び6号該当性について】 本件不開示部分2には,本文の内容に対応した項目が記載されており,その内容はある程度具体的なものであるとともに,それらのうち,相当数は設問形式で記載されていることが認められるが,そのいずれもが,取調べ等の場面において検討すべき論点,問題点等を挙げているにすぎないものであり,不開示部分2中において,それに対する具体的な対応策・解決策までもが記載されているわけではなく,また,採り上げられている論点,問題点等自体は,一般的に推測可能なところを大きく超えるものではない。そうすると,本件対象文書の本文の具体的な記載内容が不開示とされるのであれば,本件不開示部分2が開示されることのみによって,本文に記載されている問題意識・着眼点等の具体的な内容,対処方向等を示すものとは言えず,それらの一端を開示するのと同様の結果を生じさせるものとも言えないから,捜査・公訴等の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとは認められず,犯罪の捜査及び公訴の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由があるとも認められない。


  3. 【本文(本件不開示部分3)のうち見出しの法5条4号及び6号該当性について】 まず,本件不開示部分3のうち,目次の小項目(本件不開示部分2)と同一の記載である見出しの部分について検討すると,諮問庁が目次の右端に記載されたページ数を開示することとしており,上記で検討したとおり,当審査会においては目次中の小項目は開示すべきであると考える以上,標記不開示部分についても,法5条4号及び6号に該当するとは認められず,開示すべきである。


  4. 【本文(本件不開示部分3)のうち見出し以外の部分の法5条4号及び6号該当性について】 本件不開示部分3のうち,見出しを除いた部分には,目次の小項目(本件不開示部分2)及び見出しに記載された論点,問題点等に対する考え方や解決策とも言えるものが記載されており,その内容は,相当程度に詳細かつ具体的なものであると認められる。うすると,これを開示すると,その記載内容から捜査手法や捜査上の留意点等が詳細かつ具体的に明らかとなり,今後の捜査及び公判において,被疑者及び被告人等から対抗措置等が容易に講じられるおそれがあることは否定し難いから,犯罪の捜査及び公訴の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由があると認められる。また,過去に検察庁において公表された文書との相違点に関する諮問庁の説明についても,首肯できるものであり,過去の公表文書の有無やその内容によって,上記の判断が左右されるものとも認められない。したがって,…法5条4号に該当するものと認められるので,同条6号につき判断するまでもなく,不開示とすることが妥当である。



【概要】
【同一事案の判決】